薄毛にはどのような症状がみられるのか

薄毛の男性

薄毛と一口に言っても、その進行速度や拡がり方、また要因はさまざまです。
一晩でごっそりと抜けて地肌が露出するものや、時間とともにジワジワと毛密度が落ちていき、気づいた時には薄毛が進行していて頭髪がスカスカ、というケースも。
脱毛を引き起こすものを取り除けば症状が治まる場合もありますし、一生付き合わなければならない症例も存在します。

一番有名で症例としても多いものがAGA、男性型脱毛症でしょう。
名前の通り男性に出る脱毛症で、今ある毛髪がどんどん抜けて行くわけではありません。
変化した男性ホルモンが毛髪一本一本の寿命を短くしてしまうため、毛が細くしか育たずに早いサイクルで抜け落ち、ゆっくりとですが確実に薄毛が進行していきます。

AGAで薄毛が拡がる部位は人によってさまざまですが、大きく分けて以下の2つに分けることができます。

  • 額の生え際から徐々に後退していく前頭タイプ
  • つむじの天辺から薄くなって頭部全体に広がる頭頂タイプ

とくに前頭タイプは「すこし額が広くなったかな」という認識になりがちで、AGAだと認識して治療にかかるのが遅れてしまうケースが多くなります。
他の病気と同じく、治療が早いほど効果も出やすいものですのでとくに30代を越えた男性は普段から留意したいものです。

次に代表的なのが、これは性別を問わない病気で円形脱毛症です。
ストレスからくると言われ、免疫疾患の一種に分類されます。
自分の免疫細胞が自分の毛根を攻撃してしまい、脱毛症状に至ります。
そのため髪が抜ける速度はAGAよりずっと早く、一晩で硬貨大の地肌、いわゆる十円ハゲが何か所にもできてしまうケースもあります。

ただし円形脱毛症ではAGAとは異なり、ストレスが軽減されれば脱毛の症状は治まり、多くの場合また発毛が再開して元通りになります。
AGAとこのストレス性の脱毛症状が組み合わさっている場合も多いため、現代人には難しいことですが薄毛を回避するにはストレスを溜めないことが重要であると言えます。

その他女性特有の症状としては、びまん性・分娩後脱毛症が挙げられます。
過度なダイエットや分娩、閉経、ストレス、さまざまな理由でホルモンバランスが乱れて脱毛症状が出てきます。
特徴としては、男性型と異なり全体的に均等に薄毛が進行していくことが挙げられます。
進行は早くはありませんが、やはり女性の場合薄毛自体が大きなストレスになってしまい、そのため長引くケースも多く存在します。

毛髪は皮膚を土台として生えているため、皮膚そのものに疾患がある場合も脱毛し薄毛になってしまいます。
アトピー性、あるいは脂漏性皮膚炎が頭皮に起こった場合、皮膚が炎症でダメージを受け、それが毛根にまでおよんで脱毛していきます。
この症状が出た場合もまずは皮膚炎のほうを治療する必要があり、それが治まれば発毛してくる可能性があります。
いずれのケースでも、薄毛に気づいてからなるべく早い段階で医療機関に相談し、どのタイプで薄毛が進んでしまっているかをしっかりと把握して治療に取り掛かることが最重要と言えます。
治療の方法や費用はそれぞれ全く異なってきますので、以下に見ていきましょう。

薄毛を治療するための方法は何がある?

プロペシア

薄毛になってきたと実感した場合、まずはそのタイプを知る必要があります。
一晩でごっそりと髪が抜けてしまうようならストレス性のものを疑いましょう。
自分の身の回りに何か大きな変化(結婚や就職、転職、人やペットとの別れ、他の病気等)がある場合、そちらの問題を解決するのが薄毛治療につながる可能性が高いでしょう。
また皮膚炎などが頭皮に出来ている場合も、医療機関にかかることでまず皮膚疾患を治療するのが近道と言えます。

薄毛が気になり、かつ自分が男性である場合。
それほど進行は急激ではないけれど、だんだん薄くなってきている。
加えて抜けた毛をよく見てみると、短くて細く、毛根の部分も太くなっておらず何だか元気がない。
このような条件がそろうとき、AGAである可能性が非常に高くなります。
専門の医療機関にかかって診断があったのち、AGA治療を受けることになります。

育毛を成功させるには日々のケアが大切です。AGAの治療は大きく分けると、内服薬を飲む、あるいは外用薬を頭皮に塗布する内科的なものと、頭皮へ有効成分や薬を注射で直接注入したり、自毛の移植をするなど外科的なもの、この二つになります。
個々のケースで効果が異なるため、医療機関にかかったさいにどちらが適しているか医師からよく話を聞き、費用や通院回数など考慮して選ぶことになります。
内科的な治療のほうが手軽で費用も安いため、まずはこちらからやってみるという方が多数を占めます。

内科的な治療のうち、内服する薬の代表格がプロペシアです。
プロペシアは薬品の名前で、配合されている有効成分はフィナステリドといい、変化した男性ホルモンが毛髪の寿命を短くすることを阻止します。
飲み続けていれば毛髪の寿命サイクルが正常になり、結果脱毛が止まり、発毛・増毛して治っていくという仕組みです。
注意点として、根本から治療するのではなく対症薬であるためずっと飲み続ける必要があるという点、また効果が出るまで数か月かかることがほとんどだという点があります。
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また内服薬としてはプロペシアと同じ有効成分を含むフィンペシアなどがあります。
フィンペシアは後発薬であり費用も安いですが、製造はプロペシアがアメリカであるのに対しフィンペシアはインド製、また日本ではプロペシアは認可が下りていますが、フィンペシアはそうではありません。
このあたりを踏まえてフィンペシアを使うかどうか、医療機関の意見も聞きつつ内服薬を選択する必要があるでしょう。

外用薬としては、ミノキシジル配合の各種育毛・増毛剤が挙げられます。
ミノキシジルは成分名で、日本では「ミノキシジル配合」をうたった各種の育毛剤が発売されています。
ミノキシジルは頭皮の血行を促進することで毛根を活性化し、栄養を毛母細胞にしっかり行き渡らせて増毛をはかるものです。
通常は内服薬だけや外用薬だけとはの使用ではなく、「フィンペシア+ミノキシジル配合薬A」「プロペシア+ミノキシジル配合薬B」のように併用して治療を進めていきます。

費用や施術の時間等、折り合いがつけばこれに加えて、ミノキシジルやフィナステリドなどの成分を頭皮に注射する治療も効果的です。
さらに外科的な処置であれば自毛植毛で確実に増毛することもできます。
AGAの治療としてはまだ植毛はそれほど一般的でなく、自毛植毛専門の病院もありますので、植毛を検討する場合まずそういった専門の医療機関での診察を受けることをお勧めします。

薄毛治療にかかる費用は症状と人によって様々

説明する医師

薄毛の薬を使って治療に取り組む場合、効果や期間とともにやはり気になるのはその費用です。
この場合もやはり薄毛の症状のタイプや要因によって大きく異なってきます。

まずAGA以外の、ストレス性や皮膚疾患から来る薄毛の場合。
このケースでは通常の心療内科、あるいは皮膚科で治療を受けることになり、すべてが保険診療の枠内となりますのでさほど多額の費用はかかりません。
例外として、治療が終わった後も発毛がなかなか進まない場合は自費で植毛やマッサージなど増毛を行うことになります。
こういった「他の病気が元となる薄毛」の場合、カツラや植毛にも医療費控除が適用される場合がありますので、治療中に医療機関に相談することをお勧めします。

AGAの場合、プロペシアやフィンペシアなどの内服薬、あるいはミノキシジル配合の外用薬、いずれも保険適用外です。
例外はありますが、医療費控除の対象にもならないため基本的にすべて自費でまかなうことになります。
まずプロペシア服用の場合、診察と薬を合わせて大まかに毎月1万円程度(医療機関によって前後します)となります。
プロペシアを個人輸入した場合診察料はかからず薬代もやや抑えられますが、それでも年間10万円程度は見込む必要があるでしょう。

費用を抑えたい場合、フィンペシアであればだいたいプロペシアの半分が相場と言われています。
個人輸入で行えば年間5万円程度になります。
とはいえ、個人輸入は粗悪品をつかまされる可能性もあり、フィンペシアを服用して何か別の症状が出ればまた余計に費用がかかります。
そのためやはり医療機関を通したほうが安全で無難と言えるでしょう。
プロペシアとフィンペシア、いずれを選ぶにしても年間5~10万円前後で、しかもこれがずっと続くことを押さえておく必要があります。

外用薬のほうでは、ミノキシジル配合の薬は通常1か月あたり6000円程度かかります。
ジェネリックを選択するとこれの半分ほど、1か月あたり3000円ほどです。
これも内服薬と同様、続けているうちしか効果はありませんのでずっとかかる費用ととらえることになります。

もっと費用がかかることを厭わなければ、頭皮にミノキシジルなど有効成分を注射する処置を取ることもできます。
注射は一回あたり数万円かかりますが、病院によって注射に有効成分のほか各種ビタミンなどを配合し、発毛増毛効果を高めてあるため塗布や内服より高い効果が期待できます。
また費用は別として頭皮に注射は痛くて何回もできないのでは、と思われがちですが、専門クリニックでは注射針を冷やして痛みを緩和させる等の処置も行っています。

さらに費用はかかりますが、自毛植毛は確実な増毛が見込めます
上記の治療の多くはあくまで進行を食い止め、元の状態に戻すことを目的としていますが、進行が止まっても増毛が上手くいくケースは多くありません。
治療に時間がかかれば加齢もすすみ、増毛するための毛根も弱ってきてしまいます。
自毛植毛は範囲によって費用が変動するため一概には言えませんが、広い範囲をカバーした場合100万円程度かかることもあります。
とはいえ見た目に明らかな増毛が認められるのは大きなメリットと言えるでしょう。

多額の費用をかけずに薄毛治療を行うための方法は?

薄毛の症状はなんとかしたいけど、費用はなるべくかけたくない。
そんなときには、まず費用のかからないことから始めるのが良いでしょう。
どのタイプの薄毛も、元となるのはホルモンバランスやストレスによる身体の乱れです。
これらをしっかりと安定させておくために、普段の生活でできることはたくさんあります。

食生活を見直す

アルコールやタバコは内臓に負荷をかけ、血流を悪くするため頭皮に栄養が届くことを阻害してしまいます。
また皮膚炎を起こしやすくなるため、可能な限り控えるべきものです。
加えて揚げ物などの油脂類や糖分も、同様に血流をドロドロにし炎症を悪化させるので(ゼロにするのは難しいでしょうが)なるべく減らすように心がけましょう。

逆に積極的に摂取したいのが、良質なたんぱく質です。
髪そのものや土台の皮膚を作る材料であるため、不足すればそれらの生成が滞ってしまいます。
どうしても炭水化物のほうが安価で手軽に摂れるため手が伸びがちですが、肉や魚、大豆などは毎日意識して食べるようにしましょう。
ビタミンやミネラル類も毛髪を作る際に必要となるうえ体内で生成できませんから、なるべく摂るようにします。
よく「ワカメを食べると毛が生える」と言いますが、海藻には亜鉛やヨウ素など各種ミネラルが豊富に含まれているためです。

とくにAGAの場合、男性ホルモンの働きかけは薄毛につながっています。
そのため対になる女性ホルモンやそれに似た成分の大豆イソフラボンを摂ることで、AGAの進行を緩やかにできると言われています。
大豆はたんぱく質も含まれるため、とくにお勧めの食材と言えます。

適度な運動をする

この場合の運動は、激しい短距離走や筋力トレーニングではなく、水泳や穏やかなジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動を指します。
頭皮はもともと厚さがなく、心臓より上に位置しているため血行が悪くなりやすい部位です。
そのため有酸素運動で血行を促進してやれば頭皮に栄養が行き、老廃物が排出されて元気になり、薄毛対策となります。
身体を動かすのは苦手だという方も、まずは一駅前で降りて歩く、なるべくエスカレーターを避けて階段をのぼるなど無理のない続けられる範囲で始めてみてはどうでしょう。

シャンプーの仕方を見直す

頭皮の毛穴に皮脂が詰まると、それがもとで炎症を起こしたり血行が悪くなり脱毛してしまうため、清潔にしておく必要があります。
ただし、それを意識しすぎるあまり爪を立ててゴシゴシ洗ったり、強い脱脂作用のあるシャンプーで一日に何度も洗髪してしまうと、頭皮にダメージを与えて逆効果となります。
指の腹でやさしく、皮脂を取りすぎないよう頭皮を洗い、シャンプー後に保湿しておくと皮膚は元気を保てます。

他の疾患と同様、薄毛も生活習慣や食生活の改善で体調を整えること、また医療機関にかかって早期に発見して対策をとることが一番重要となります。
とくにAGAであった場合は非常に長丁場での付き合いになることから、普段から自分の身体に気を配り、費用・食事・運動など無理なくこなせる範囲で対策を始めるということが大切です。

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